ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ >   > 令和6年度施政方針及び予算(案)の大綱

本文

令和6年度施政方針及び予算(案)の大綱

ページID:0003025 更新日:2024年2月21日更新 印刷ページ表示

令和6年度施政方針及び予算(案)の大綱

1 施政方針

(1)はじめに

 本日ここに、令和6 年度予算案及び関連諸議案のご審議をいただくに当たり、新年度の市政運営に臨む、私の所信の一端を申し述べさせていただきます。
 はじめに、本年1 月1 日に能登半島地震が発生してから、間もなく2 か月が経とうとしています。
 被災地では、懸命の復旧作業が続いており、今なお、多くの方々が避難生活を余儀なくされています。
 本市におきましても、職員及び給水車の派遣、募金活動などに取り組んでおり、被災地の一日も早い復興に向け、引き続き、埼玉県等と連携した支援を行ってまいります。
 このたびの能登半島地震に際し、改めて、日頃の備えと想定外を想定する災害対応力の重要性を痛感したところです。
 近年の頻発化・激甚化する自然災害から市民の皆さんの生命と財産を守るため、FEMA 訓練等により関係機関との連携強化を図るなど、災害を想定した実践的な訓練を重ねるとともに、消防団や自主防災組織による地域防災力の強化、災害用備蓄物資の充実など、災害に強いまちづくりを進めてまいります。
 さて、令和5 年度は、本市が県内を始め、全国から注目される年となっています。
 昨年5 月に、内閣府より「SDGs 未来都市」として認定されたのを始め、11 月には県より7 年連続となる「健康長寿優秀市町村表彰」並びに「個人住民税市町村表彰」、本年1月には「第6 回日本ICT 教育アワード審査委員会特別賞」を受賞、さらには、「第1 回埼玉デザインマンホール人気投票」一般部門で3 位に入賞するなど、本市が取り組んできた成果が着実に現れてきております。今後におきましても、これらの取組をさらに発展させてまいります。
 また、私が目指す「市民と歩む新しい鴻巣」の実現に向けた第一歩として、私も参加する形でリニューアルした「市長と語る地域懇談会」を始め、新たに開始した「市長のまち探検」、中小企業及び小規模企業振興基本条例の理念を実現するための方針策定に向けた「鴻巣市中小企業等の振興に係る懇話会」等を通じて、市民や事業者の皆さんから、地域づくりの提案や地域課題の解決、地域経済の活性化に向けたご意見等を伺いながら、持続可能なまちづくりへの歩みを進めてまいりました。
 市民や事業者の皆さんとの意見交換を通じて、地域における担い手不足やコミュニティの希薄化、防災・防犯への対応、空き家問題などの地域課題、事業所における人手不足や資材高騰の影響など、直面している様々な課題を伺いました。その中で、特に、原油価格の上昇や円安の進行等の影響によるエネルギーや食料品等の物価高騰の長期化を心配する声をお聴きしました。
 これらに対応するため、国の交付金や新型コロナウイルス感染症対策基金などを活用し、市民全体に経済効果が波及する「こうのす空・花クーポン券事業」や「水道基本料金2 か月分免除」、子育て世代に対する「小中学校給食費等の保護者負担軽減事業」や「子育て世帯生活支援特別給付金支給事業」、「住宅等の防犯対策」及び「自転車乗車用ヘルメット購入」に対する補助、「住民税非課税世帯への給付金支給事業」、また、事業者支援として、医療機関、幼保施設、介護施設、障がい者施設等の民間事業者に対する支援金の給付などを継続的に実施してまいりました。
 現在、低所得者支援のための「一体支援枠生活者支援給付金」の今月末からの支給に向けて事務を進めています。
 令和6 年度においても、市独自の取組として、「こうのす空・花クーポン券2024 事業」や「学校給食食材費物価高騰分支援事業」等の実施により、物価高騰の影響を受け、厳しい経済状況にある市民や事業者の皆さんに対し、継続した支援を実施してまいります。

(2)市政運営の「3つの柱」

 昨年5 月に、新型コロナウイルス感染症が5 類感染症へ移行したことにより、「ポストコロナ」による新しい日常がスタートし、私たちの生活もコロナ禍前の活気を取り戻しつつあります。
 一方で、人口減少・少子高齢化の進行に加え、気候変動などに伴う自然災害の激甚化、デジタル技術の進展による行政サービス提供体制や働き方の変化、2050 年カーボンニュートラルに向けた取組など、自治体を取り巻く環境は大きく変化しています。
 持続可能な地域社会の実現に向け、市民の皆さんの暮らしを支え、活力ある地域づくりを推進するためには、これらの変化や課題に対して、適宜適切に対応することが求められています。
 国では、令和6 年度一般会計当初予算案が国会で審議されており、一般会計の総額は、過去最大であった令和5 年度に次いで2 番目の規模となっています。
 予算の主な特徴として、こども政策では、少子化は我が国が直面する最大の危機であるとの認識のもと、「こども未来戦略」に基づく「加速化プラン」をスピード感をもって実施するほか、デジタル・GX 分野では、デジタルの力を活かし、地方の活性化や公的サービスの効率化等を推進するため、デジタル田園都市国家構想交付金により、デジタル行財政改革の先行モデル的取組や観光・農林水産業の振興等の支援、2050 年カーボンニュートラルに向けた官民のGX 投資を促進することとしています。
 埼玉県では、令和6 年度の予算編成方針において、「歴史的課題に対応した未来志向の施策展開」「『日本一暮らしやすい埼玉』の実現に向けた取組の深化」「DX を前提とした不断の行財政改革の推進」の3 点を基本方針に掲げ、人口減少、超少子高齢社会の到来や頻発化・激甚化する災害などの歴史的課題に直面する中、県の持続的な発展を実現するためには、これまでの制度や経験等を前提とした発想に捉われず、未来を見据えた施策を展開していく必要があるとしています。
 また、「日本一暮らしやすい埼玉」の実現に向け、「埼玉版スーパー・シティプロジェクト」や「埼玉版SDGs」を推進していくとともに、あらゆる分野で持続的な発展を可能とするための施策を、バランスよく展開することとしています。
 本市におきましても、このような国・県の動向を踏まえ、新たな政策課題や複雑化・多様化する行政課題を解決し、さらなる行政サービスの向上を図っていくため、以下の3 点を令和6 年度における市政運営の柱として位置付け、効果的かつ効率的な市政運営を展開してまいります。


 まず、1 点目は、全市的な「SDGs」の推進です。
 本市は、昨年5 月に、内閣府より「SDGs 未来都市」に選定され、8 月に策定した「鴻巣市SDGs 未来都市計画」では、2030 年のあるべき姿を「人にも生きものにもやさしいコウノトリの里こうのす」とし、経済、社会、環境の3 側面からなる基本方針に基づく事業を推進することで、地方創生並びに地域活性化を目指すこととしています。
 これまでも、第6 次鴻巣市総合振興計画後期基本計画において、全28 施策とSDGs の17のゴールを関連付け、SDGs の達成に向けた各施策を展開しており、引き続き、国・県との連携を図りながら、これらの取組をさらに深化させるとともに、市民や事業者の皆さんへと連携の輪を広げていくための事業を推進してまいります。
 特に、令和6 年度は、SDGs の達成に向けた第一歩を着実に進めるための年として位置付け、「鴻巣市こうのとりSDGs 推進本部」を中心に、本市の全ての施策や事業がSDGs の推進に寄与するとの認識のもと、部署間連携・政策間連携を図りながら、全市的な視点で取り組んでまいります。
 主な取組として、「SDGs 推進事業」では、本市が取り組むSDGs 未来都市計画について、市民・事業者・行政が共有を図り、理解を深めるための取組として、市内中学生による「SDGs 未来会議」やSDGs を楽しく学べる「こうのとりSDGs フェスティバル」を新たに開催します。
 また、「SDGs を知っている」という段階から「SDGs の達成に向けた行動変容」へとつなげていくため、SDGs に取り組む事業者・団体等が宣言を行い、その取組を市ホームページ等で紹介する「こうのとりSDGs パートナー制度」を新たに創設します。
 さらに、行政のみならず、地域の団体や事業者等によるSDGs 達成に資する活動への参加を通じてポイントを付与する「SDGs ポイント制度」を新たに構築し、SDGs の視点から関係人口の創出や地域経済の活性化を推進してまいります。


 2 点目は、「こども・子育て施策」の充実です。
 国では、こども・子育て施策に対し、前例のない規模で抜本的な強化を図る方針が示され、昨年12 月に、「こどもまんなか社会」の実現に向けた「こども大綱」及び次元の異なる少子化対策の実現に向けた「こども未来戦略」が閣議決定されました。
 「こども未来戦略」では、令和6 年度から3 年間で集中的に取り組む「加速化プラン」において、「児童手当の拡充」「多子世帯の高等教育費の負担軽減」「こども誰でも通園制度の創設」などが示されています。
 これらの動向や市民ニーズ等を踏まえ、国・県、事業者、関係団体等との連携を図りながら、こどもを安心して産み育て、次代を担うこどもたちが健やかに成長していくことができるよう、こども・子育て施策をより一層拡充し、地域全体でこどもや子育て世帯を応援する機運を高める取組を進めてまいります。
 この取組を市内外に効果的に表明するため、国が提唱する「こどもまんなか宣言」の趣旨に賛同し、鴻巣市として、新たに「こどもまんなか応援サポーター宣言」の実施を予定しています。
 この宣言のもと、主な取組として、「こども家庭センター事業」では、全ての妊産婦、子育て世帯、こどもに対して一体的な相談支援を行うため、「子育て世代包括支援センター」及び「子ども家庭総合支援拠点」を統合し、新たに「鴻巣市こども家庭センター『ここの巣』」を設置します。
 「未就園児預かり保育試行事業」では、国が実施に向けて検討を進めている、保護者の就労要件に関わらず、こどもを保育所等に預けることができる「こども誰でも通園制度」の本格実施を見据えた試行的事業に、本市の提案が採択されたことから、本格実施に先立つ試行的事業として新たに開始します。なお、本事業の実施については、本年1 月17 日現在、全国108 自治体、県内では本市のほか、さいたま市、行田市、志木市の4 市となっています。
 「母子家庭等対策総合支援事業」では、ひとり親家庭等の中学生・高校生を対象として、新たに夏季休業・冬季休業期間における学習支援を開始するとともに、参加者が大学等を受験する際の受験料や模擬試験費用に対して補助を行い、進学を支援します。
 「母子健診事業」では、健診時などの利便性向上を目的として、新たに「子育て支援こうのす乗合タクシー利用券」の交付を開始するほか、新たに「産後ケア事業」への宿泊型の追加、1 か月児健康診査費用の助成などを通じて、母子等の心身の健康保持及び増進を図ります。
 「こどもの居場所支援事業」では、学習支援教室やフリースクールを行う団体を「こどもの居場所ネットワーク会議」の構成員に新たに追加するとともに、こども食堂等応援金を交付します。
 「放課後子ども教室推進事業」では、新たに広田小学校に開設することにより、市内全ての小学校で開講することとなります。
 「吹上地域保育園等新設整備事業」では、「(仮称)吹上コスモス保育園」を中心とした複合施設の整備に向け、設計業務を開始します。
 「コミュニティ・スクール推進事業」では、全ての小・中学校に「学校運営協議会」を設置し、学校・家庭・地域社会が一体となって、学校運営の改善及び児童生徒の健全育成に取り組んでまいります。
 「小学校及び中学校ふれあいサポート事業」では、特別支援学級を鴻巣東小学校、吹上小学校及び鴻巣中学校に増設し、障がいのある児童生徒一人一人の特性に応じた介助・学習支援や自立に向けて必要な知識及び技能が習得できる環境を整備します。
 私が掲げる公約事業として、県外に通学し、「埼玉県私立高等学校等父母負担軽減事業補助金」の対象とならない世帯に対し、新たな補助金を交付する「県外私立高等学校等入学金補助事業」の創設、「多子世帯保護者負担軽減事業」として、令和5 年度に引き続き、学校給食費の免除及び市立外小・中学校等に通学する児童生徒の保護者に対する学校給食費相当分の給付を行います。
 このほか、不登校児童・生徒への対応として、国の「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLO プラン)」に基づき、市内小中学校への「校内教育支援センター」の新たな設置に向け、検討を進めてまいります。


 3 点目は、「市制施行70 周年記念事業」の展開です。
 本市は、昭和29 年に1 町5 村の合併により、県下17 番目の市として誕生し、平成17年の吹上町、川里町との合併を経て、令和6 年度に「市制施行70 周年」を迎えます。
 昭和29 年9 月の合併当時は、人口31,394 人、世帯数5,638 世帯、一般会計予算額9,428万8 千円でしたが、本年1 月には、人口117,582 人、世帯数52,849 世帯、令和6 年度一般会計予算額405 億6,800 万円となり、現在では首都50km 圏内という地理的条件に恵まれ、県央地域の中核都市として発展を続けています。
 人の一生に例えれば「古希」となる大きな節目の70 周年を、市民の皆さんとともに祝い、先人たちが築きあげてきた歴史や文化、まちづくりを振り返るとともに、市の魅力や地域資源を再認識し、未来に向け、夢と希望に満ちた鴻巣市を築く新たなスタートとして、市民の皆さんの地域への誇りと愛着の醸成を図り、本市のシティプロモーションの効果的な推進につなげる取組を展開します。
 また、この70 周年を契機として、今まで以上に、地域の皆さんがお互いを「認め合い」、「つながり」、「支え合う」、持続可能な地域社会を創り上げていけるよう、市民の皆さんと一緒に取り組んでまいります。
 主な取組として、「市制施行70 周年記念事業」では、本年10 月に、市制施行70 周年を祝う記念式典を開催するほか、市内事業所等を対象に、市制施行70 周年や本市の情報を市内外に発信していただけるPR パートナーの募集、また、現在、市民投票を実施している「市制施行70 周年記念キャッチコピー」を積極的に活用し、市民や事業者の皆さんへの市制施行70 周年の周知を図ってまいります。
 「公共交通維持事業」では、コミュニティバス「フラワー号」について、夏季休業期間中の小中学生の運賃を無料とします。
 「青少年子育てふれあい体験事業」では、ロート製薬株式会社との包括連携協定に基づき、ライフデザインセミナーを実施します。
 「幼保施設花いっぱい事業」では、各公立保育所等の児童による手形押し花アートを作成し、ショッピングモールや市イベント会場等で展示します。
 「保育所費庶務事業」では、埼玉西武ライオンズとの連携協定に基づく保育所訪問事業について、これまでの公立保育所のほか、新たに幼稚園等からも希望を募り実施します。
 「スポーツ教室開催事業」では、小学生を対象に、親子でプロスポーツ選手の試合を間近で観戦していただく機会を新たに設け、スポーツへの関心を高めてまいります。
 このほか、プレイベントとして、2 月16 日(金曜日)から3 月9 日(土曜日)まで開催の「鴻巣びっくりひな祭り2024」をはじめ、3 月21 日(木曜日)には、NHK さいたま放送局との共同開催による全国放送公開番組「新・BS 日本のうた」の公開収録を実施します。
 以上、市政運営の3 つの柱に沿ってご説明申し上げましたが、あわせて、継続的に取り組んでいる重点事業や主要事業の着実な進捗を図るとともに、私が掲げた公約の実現に向け、「つくる」「つなぐ」「まもる」の3 つの取組を進め、本市が持続的な発展を遂げるための基盤を、より強固なものとしてまいります。

(3)令和6年度の主な事業展開

 続いて、重点事業及び主要事業についてですが、令和6 年度においては、50 を超える新規または一部新規・拡充事業の展開を計画しております。
 これらの事業を中心に、総合振興計画に基づく6 つの政策に沿ってご説明申し上げます。


 政策1 子育て・教育・文化に関する政策
 ~未来をひらく人材を育て、確かな学びと文化が根付くまちづくり~
 「結婚支援事業」では、結婚新生活支援補助金の補助対象となる婚姻届の受理期間を拡大し、より多くの新婚世帯に新生活の住居費等の支援を行うことにより、転入や定住の促進を図ります。
 「小・中学校適正規模及び適正配置事業」では、小谷小学校に統合準備委員会を設置し、通学区域の再編に向けた課題を検討します。また、大芦小学校と吹上小学校の統合に向けた地域住民との意見交換会等を実施するほか、川里地域においては、鴻巣市立小・中学校のあり方研究懇話会を開催し、学校の新設に向けた意見交換を行います。
 「児童及び生徒就学援助事業」では、就学援助費及び特別支援教育就学奨励費の支給費目として、新たにオンライン学習通信費を追加します。
 「郷土芸能振興事業」では、無形民俗文化財の継承、保存団体の活性化を推進するため、5 年ぶりとなる「郷土芸能まつり」を開催します。
 「公共施設予約システム事業」では、公共施設予約システムに、新たにオンライン決済機能を整備し、令和7 年度からの運用を目指すとともに、対象施設を拡大します。


 政策2 保健・福祉・医療に関する政策
 ~いきいきと健康で充実した生活を過ごせるまちづくり~
 「がん検診事業」では、新たに利便性の高い商業施設において、乳がんの集団検診を実施し、受診率の向上を図ります。
 「老人福祉費庶務事業」では、新たに権利擁護に関する周知・啓発イベントを、市民や市民後見人等の支援者向けに開催するほか、司法書士による相談支援を開始します。
 「生活困窮者自立支援事業」では、相談支援を強化するため、新たに生活支援相談員を配置し、生活困窮に関する相談を一元的に受け付けます。
 このほか、引き続き、聴力機能低下により日常生活に支障をきたしている身体障害者手帳の交付対象とならない方に対する補聴器購入費助成を実施します。


 政策3 安全・安心に関する政策
 ~安全・安心に暮らせるまちづくり~
 「消防団運営事業」では、災害時の人員確保と組織力の維持に向け、消防団の再編と処遇改善を推進するほか、「家具転倒防止器具等設置促進事業」を新設し、災害時における防火及び在宅避難の推進、防災意識の高揚を図るため、感震ブレーカー及び家具転倒防止器具などの購入・設置に対する補助を開始します。
 「交通安全啓発事業」では、引き続き、市内在住の全年齢を対象として、販売協力店での割引方式による自転車乗車用ヘルメットの購入費用を助成します。
 また、「犯罪被害者等支援事業」を新設し、犯罪被害者等への必要な情報の提供や助言を実施するとともに、新たに見舞金の支給を開始します。
 「水道事業」では、市民の生活基盤である水道水の安定的な供給を継続するため、吹上第二浄水場における防雷設備設置工事及び自家発電機の機器交換整備工事等を実施するなど、施設の強靭化を図ります。
 「公共下水道事業」では、流出解析による浸水シミュレーションを実施し、内水浸水想定区域図の作成及び内水ハザードマップの見直しを行います。
 また、「新たなごみ処理施設の整備」では、埼玉中部環境保全組合において、「ごみ処理施設等整備基本計画の策定」及び「生活環境影響調査」を実施しており、新たなごみ処理施設整備に向けて構成市町と連携して取り組んでまいります。


 政策4 都市基盤に関する政策
 ~都市機能と豊かな自然が調和した住みよい快適なまちづくり~
 「住宅リフォーム支援事業」では、事業費を増額し、市内事業者を利用した住宅の改修工事等に対して補助金を交付します。
 「道路改修事業」「幹線道路等整備事業」「道路改良事業」では、舗装の老朽化の状況や地域の要望、舗装の個別施設計画等に基づき、生活道路や幹線道路の整備と改修により、安全性と利便性の向上を図ります。
 「市道A-1004 号線整備事業」では、国道17 号箕田(南)交差点から北側約100m 区間における交差点改良に向けた用地買収及び物件移転補償を進めます。
 「上尾道路接続市道整備事業」では、宮前・登戸・糠田地区における市道A-2045 号線の用地測量及び物件調査、大間・滝馬室・原馬室地区における7 路線の路線測量を行います。
 「三谷橋大間線(3 期工事)整備事業」では、用地買収及び物件移転補償等、「駅南通線整備事業」では、用地測量を行います。
 「デマンド交通運行事業」では、「こうのす乗合タクシー」の車両を新たに2 台増車し、充実を図ります。
 また、市長への意見・提言で寄せられた内容を検討し、フラワー号、こうのす乗合タクシー及びひなちゃんタクシーにおいて、新たに「2 歳到達月の末日までの子の保護者」を運賃割引等の対象に加えます。
 「コウノトリの里づくり事業」では、冬期湛水管理等に対する補助や生きもの等調査の実施など自然環境の保全・再生に取り組みます。
 「コウノトリ飼育施設管理運営事業」では、コウノトリ野生復帰センターを「人にも生きものにもやさしい環境づくり」の推進拠点として、コウノトリのつがいを飼育し、自然環境の保全・再生に取り組むとともに、将来の放鳥を目指します。
 「公園整備奉仕活動団体助成事業」では、地域の自治会等で組織する公園整備奉仕活動推進会に対する奨励金を拡充し、活動の維持や新たな団体の加入を促進します。
 「(仮称)北新宿近隣公園整備事業」では、北新宿第二土地区画整理事業地内における近隣公園の整備に向けた実施設計を行います。


 政策5 産業に関する政策
 ~にぎわいと活力と魅力を創出できるまちづくり~
 「空き店舗対策事業」では、鴻巣市中小企業及び小規模企業振興方針に基づき、商店街の空き店舗対策を推進するため、商店街空き店舗対策事業費補助金の交付対象として、新たに家賃に対する補助を追加します。
 「用排水路改修事業」では、生産性の高い優良農地を確保するため、下忍地区、屈巣地区及び安養寺地区の用排水路の整備を行います。
 「道の駅整備事業」では、施設設計を継続して進めるほか、アクセス道路の工事及び用地取得を行います。
 また、「産業団地の推進」では、現在、埼玉県企業局による調整池整備工事及び盛土工事が実施され、令和6 年度末の完了予定となっており、令和7 年度に進出する企業である「サーパス工業株式会社」、「カシュー株式会社」、「株式会社仙台銘板」の3 社への用地引き渡しに向け、県と連携してまいります。


 政策6 市民協働・行政運営に関する政策
 ~市民協働による一人一人が主役のまちづくり~
 「広聴広報費庶務事業」では、「市長のまち探検」を実施する中で、新たに市民活動団体等との意見交換を開始します。
 「広報かがやき発行事業」では、「見やすく、分かりやすく、魅力が伝わる広報紙」をコンセプトに、令和6 年10 月号から紙面をリニューアルします。
 「公共施設等マネジメント事業」では、官民連携の視点を重視した各種手法の検討を進めるほか、旧あしたば第一作業所、旧消防団第3 分団消防器具置場の売却に必要な不動産
鑑定、測量委託等を行います。
 「包括施設管理業務事業」では、指定管理者の更新などに伴い、保守点検、修繕等を一括で行う業務委託に、新たに27 施設を追加します。
 また、DX の推進として、「情報系システム事業」では、職員が使用しているパソコンをモバイル型へ計画的に変更するとともに、無線LAN を導入することで、スムーズなWeb 会議の実施及び会議室や打ち合わせスペース等からファイルサーバ等へのアクセスが可能となる環境を新たに構築し、業務の効率化を図ります。


重点事業及び主要事業の説明は以上となりますが、その他、6 つの政策に基づく主な事業につきましては、お手元の「令和6 年度予算参考資料」のとおりとなっています。
引き続き、令和6 年度予算(案)の大綱について申し上げます。

 

2 予算(案)の大綱

(1)令和6年度予算(案)の基本的な考え方

 令和6 年度予算の編成に当たりましては、社会保障関係費の増加、物価高騰などの影響を受け、依然として厳しい財政状況が続いている中、歳出では、限られた財源で最大の効果を達成するため、これまでの事業の効果検証と将来負担や緊急度・優先度に基づく選択を行い、過去の決算額や前年度の執行状況等を考慮した査定による経費節減等に努めています。
 一方、歳入では、国の地方財政対策を踏まえ、市税や各種交付金、臨時財政対策債等を予算に反映させたほか、国庫支出金及び県支出金を最大限に活用した予算としています。
 それでは、令和6 年度予算の規模と内容について、その概要を申し上げます。

(2)予算規模

 令和6 年度一般会計予算の総額は、405 億6,800 万円、令和5 年度と比較すると、12 億3,800 万円、約3.1%の増となります。

1.一般会計歳入

 まず、歳入では、その根幹をなす市税は、市民税では、企業収益の増加による法人市民税の増収を見込むものの、東日本大震災復興基本法に基づく個人市民税均等割の加算措置の終了などによる減収を考慮し、前年度比2,750 万2 千円減の75 億5,603 万5 千円とし、固定資産税では、3 年に一度の評価替えなどの影響から、前年度比5,407 万4 千円減の60億2,462 万円とするなど、市税全体では、前年度比7,082 万2 千円減の151 億9,285 万5千円を見込んでいます。
 地方譲与税は、前年度比1,087 万9 千円増の3 億955 万円とし、地方消費税交付金は、前年度比7,500 万円減の25 億300 万円を計上しています。
 地方交付税は、国が示した地方財政対策において、社会保障関係費や人件費の増加が見込まれる中、地方自治体が住民のニーズに的確に応えつつ、こども・子育て政策の強化など様々な行政課題に対応し、行政サービスを安定的に提供できるよう、令和5 年度を上回る額を確保する方針が示されていることから、2 億1,000 万円増の70 億2,000 万円を計上しています。
 また、国庫支出金は、子育て支援の拡充などによる民生費負担金や土木費に係る補助金の増などにより、前年度比6 億6,217 万5 千円増の63 億5,671 万7 千円を計上しています。
 県支出金は、前年度比1,556 万5 千円増の31 億1,135 万8 千円を計上しています。
 繰入金は、公債費の償還金に充当する減債基金繰入金を前年度比6,000 万円増の2 億6,000 万円、合併振興基金繰入金では、重点事業である道の駅整備事業への活用として、前年度比1 億9,377 万5 千円増の2 億6,044 万6 千円、繰入金全体では、前年度比6 億6,111万3 千円増の24 億7,319 万7 千円を計上しています。
 市債は、臨時財政対策債の減などにより、2 億5,220 万円減の6 億5,010 万円を計上しています。

2.一般会計歳出

 次に、歳出ですが、目的別に前年度比で見ますと、議会費は247 万5 千円の減、総務費は7,067 万1 千円の減、民生費は10 億2,970 万1 千円の増、衛生費は2,468 万7 千円の減、労働費は1,939 万7 千円の減、農林水産業費は1 億9,790 万7 千円の増、商工費は1,719 万7 千円の減、土木費は2 億4,692 万7 千円の増、消防費は1 億1,064 万5 千円の増、教育費は1 億4,121 万4 千円の減、公債費は7,182 万5 千円の減となっています。中でも民生費は、歳出予算の約44.6%を占め180 億9,494 万5 千円を計上し、利用が増加している障害者自立支援給付事業、児童手当の拡充を行う児童手当支給事業、新たに「こども家庭センター」を設置するこども家庭センター事業や「こども誰でも通園制度」を見据えた取組として実施する未就園児預かり保育試行事業など、障がい者福祉や児童福祉などの各福祉施策における手厚い支援や充実したサービスを提供するための予算としています。
 また、農林水産業費では、道の駅整備事業、土木費では、三谷橋大間線(3 期工事)整備事業や上尾道路接続市道整備事業などの事業進捗を図るために増額予算としています。
 一方、減額となった費目としては、総務費では、県知事・県議会議員・市議会議員選挙の皆減、教育費では、箕田小校舎屋上防水改修工事の完了による小学校施設改修事業や映写機の更新が完了した映画館管理運営事業の減、公債費では、借入残高の減少による償還費の減などが主な要因となっています。
 このほか、施政方針に掲げた3 つの柱を始め、総合振興計画における6 つの政策を着実に推進するための予算編成としています。

3.特別会計

 次に、特別会計の予算規模についてご説明申し上げます。
 国民健康保険事業特別会計については、一人当たりの医療費の伸びによる医療給付費の増が主な要因となり、127 億7,600 万円、前年度比1 億2,600 万円、約1.0%の増となっています。
 介護保険特別会計については、介護報酬改定の影響や介護サービス等の利用者の増加に伴う給付費の増が主な要因となり、97 億5,200 万円、前年度比1 億8,400 万円、約1.9%の増となっています。
 北新宿第二土地区画整理事業特別会計については、事業進捗に伴い、物件移転補償料を増額する一方、区画道路築造工事などの減が主な要因となり、5 億6,000 万円、前年度比2 億1,800 万円、約28.0%の減となっています。
 広田中央特定土地区画整理事業特別会計については、事業進捗に伴い、区画道路築造工事などを減額する一方、換地処分に向けた測量委託料や換地計画書作成業務委託料などの増が主な要因となり、1 億8,700 万円、前年度比5,500 万円、約41.7%の増となっています。
 後期高齢者医療特別会計については、被保険者の増加等に伴う後期高齢者医療保険料の増が主な要因となり、20 億9,900 万円、前年度比2 億5,500 万円、約13.8%の増となっています。
 なお、農業集落排水事業特別会計については、令和6 年4 月1日より地方公営企業法を適用した公営企業会計へ移行します。

4.公営企業会計

 続いて、公営企業会計の予算規模について、ご説明申し上げます。
 はじめに、水道事業会計の支出は、収益的支出が23 億9,996 万円、前年度比6,967 万6 千円、約3.0%の増、資本的支出が13 億3,825 万2 千円、前年度比6,489 万4 千円、約5.1%の増となっています。
 収益的支出の増加は、馬室浄水場及び吹上第二浄水場耐震診断業務委託の増、資本的支出の増加は、令和5 年度から継続している吹上第二浄水場防雷設備設置工事、老朽化した配水管の布設替工事の増が主な要因となっています。
 次に、公共下水道事業会計の支出は、収益的支出が25 億3,516 万1 千円、前年度比1,231万8 千円、約0.5%の増、資本的支出が17 億8,718 万5 千円、前年度比3 億1,488 万8 千円、約15.0%の減となっています。
 収益的支出の増加は、流域下水道維持管理負担金の増、資本的支出の減少は、マンホール蓋改築工事、箕田産業団地の公共下水道汚水管渠整備工事の減が主な要因となっています。
 また、令和6 年度より地方公営企業法を適用する農業集落排水事業会計の支出は、法適用により減価償却費が費用計上され、収益的支出は1 億7,533 万5 千円、資本的支出は4,851 万9 千円、予算総額2 億2,385 万4 千円となっています。

 

 3 次の10 年に向け、「新たな一歩を踏み出す年」に​

 以上、令和6 年度の施政方針及び予算(案)の大綱について申し上げましたが、本田技研工業の創業者である本田宗一郎氏の格言に、「人生は『見たり』『聞いたり』『試したり』の3 つの知恵でまとまっているが、その中で一番大切なのは『試したり』である。」という言葉があります。これは正に市政運営にも当てはまるものと考えております。
 市制施行70 周年の節目の年となる令和6 年度の市政運営に当たり、私は、3 つの柱のもと、新たな取組に積極的にチャレンジするとともに、第6 次鴻巣市総合振興計画後期基本計画における6 つの政策を着実に推進することにより、次の10 年に向け、「新たな一歩を踏み出す年」としてまいります。
 本市のさらなる飛躍に向け、令和6 年度におきましても、「市民と歩む新しい鴻巣」を推進し、実りある年となるよう全力で市政運営に臨んでまいりますので、議員及び市民の皆様におかれましては、引き続き、格別のご理解とご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げ、新年度にあたっての私の所信といたします。