こうのとり伝説 第1話

昔々、鴻巣の宮地(みやじ)に小字(こあざ)本宮(もとみや)というところがあり、

そこに小さな祠(ほこら)が祀られていた。

そのそばに天をも突かんばかりに繁った一本の大きな樹が立っていた。

毎日のお供えを少しでも怠ると必ず祟りがあって、

村人たちは苦しい生活の中からたくさんのお供えを欠かさなかった。

そして村人たちはこれを”樹の神”と呼んで畏れるようになった。

 

こうのとり伝説 第2話

あるとき隣村の男によって祠が汚される事件が起こった。

樹の神の祟りか、それから村を猛烈な日照りが襲った。

そんな日照りの中、どこからか一羽のコウノトリが飛んできて

”樹の神”の樹のてっぺんに巣を作り卵を生んだ。

 

こうのとり伝説 第3話

ところがそこに一匹の大蛇が現れて、卵を飲み込もうと巣に迫った。

怒ったコウノトリは大蛇と木の上で渡り合った。

大蛇の頭をくちばしで突き刺すと大蛇は悲鳴を上げて不思議な光を放ちながら消えてしまった。

こうして大蛇を退治したコウノトリは無事に卵を守った。

 

こうのとり伝説 第4話

するとそれまでの日照りが嘘のように突然雨が降り出した。

それ以来、樹の神が村人たちに祟りを起こすことがなくなった。

村人たちはコウノトリに感謝して新しい祠を祀り、ここを鴻の宮(現

在の鴻神社)と呼ぶようになり、地名も鴻巣と呼ばれるようになった。